リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

ここまで知れば80% modified Littler法とは?

おはようございます。2週連戦の第二試合です

f:id:orthopaedicrheumatologist:20170427092505j:plain

今日は朝早くからのセッションだったので、

以前から気になっていたmodified Littler法の報告を聞きに行きました。

 

スワンネック変形のPIP関節の過伸展を制動する方法で、

指の斜指靭帯(oblique retinacular ligament)を再建する方法です。

 

背側のJ字状の皮切を行い、背側でlateral band mobilizationを行います。

尺側の側索(結構掌側を走っている)をMP関節遠位で切離し、反転、屈筋腱鞘の下を通してから、橈側の基節骨にアンカーの使用もしくは橈側の側索に縫合します。

腱の下を通すときに神経血管束に注意が必要です。

 

術後はlateral band mobilizationの効果を出すため、術後2週ワイヤー固定を行います。夜間のスプリントも過伸展防止に使用します。

縫合強度が強すぎると、ボタン穴変形の発生もあるため、20~30度くらいの屈曲位での縫合がいまのところ良いようです。

ワイヤー固定も屈曲20度で行います。

 

他の方法としては、FDSを片方使用して行うスリング法も有名です。

しかし、斜指靭帯を再建することから最も生理的ですので、うまく進化すれば煩雑ではありますが、よい方法かなと思います。

 

われわれも、導入してみようかと思います。

MP関節の手術との併用には技術がいるかもしれません。

 

ところで自分の発表も終わりましたので、リラックスして勉強に名古屋飯の探索臨みます。

 

午後のセッションでも、RAのディベートがありました。

何年もリウマチ外科、特に手外科をやってきました。年々ちょっとずつ追いつこうと頑張ってきましたけど、全然どれくらい離れているかわかりませんでした。

ようやく背中が見えてきました。それが一番うれしいです。

 

#日手会#第60回#名古屋飯#modified Littler法#FDS sling#ORL

 

尺側偏位とスワンネック変形の終末像

先日のJCR2017の報告でも書きましたが、リウマチの手術は減少しています。

 

しかしわれわれリウマチ医の実感としては、

どうしてこうなる前に手を打たなかった?! という症例が減りません。

f:id:orthopaedicrheumatologist:20170426095125j:plain

先日来られた方です。両手指の変形がわかりますでしょうか?

日常生活のほとんどを奥様に頼られているようです。

右手は、母指 Nalebuff①とIP関節のシフト

    示指から小指 MP関節の脱臼 と尺側偏位 さらにすべてがスワンネック変形を伴っています。

PIP関節は徒手的に50度くらい過伸展しますが、自動運動で80度の屈曲ができます。

なんと可動域130度!

PIPの制御機構も破たんしています。

 

尺側偏位の終末像ともいえます。

この方、中手骨に幸いながら骨びらんはあっても関節面は何とか残って見えます。

ポイントは以下の通りです。

・関節温存手術は可能か?

・PIP関節の制動術が必要か?

・伸筋腱中央策の整復は可能か?

・側索の(内在筋の)短縮量はどれくらいか?

・屈筋腱は効いているか?

 

側索については、以前の投稿 

orthopaedicrheumatologist.hatenablog.com

で書いたとおり、だいぶん走行が掌側に変わってそうです。

また伸筋腱中央索はすべて尺側に脱臼しています。

 

いったんリハビリテーションを開始して、軟部組織の状態を改善してから手術に臨みます。今週から日手会なので、Tompson-Littlerなど制動術を勉強してきます。

 

 

#スワンネック変形#尺側偏位#終末像#リハビリテーション#日手会

若い時の人工関節はやっぱり寿命が短い

自分の担当で、50代後半の男性ですが、30歳ころから発症してすでに20年オーバーの罹病歴の方がいます。

 

肘肩のポリエチレンは、股膝のものより進歩していません。ましてや指はもっとです。

若年時の関節破壊で、ADL仕方ないとはいえ、若年の人工関節はやはり寿命が短いことを痛感しました。

 

今回はこの話です。

 

この方の特異なところは、この20年でいわゆる大関節(肩・肘・股・膝)の8つのうち、すでに6箇所が人工関節になっていることです。

 

すなわち、30歳代にそれだけの手術を受けざるを得ないひどいRAということです。

先輩からの引継ぎ患者でして、どれも自分で手術をしていません。

 

まず、昨年右肘の人工肘関節の再置換を行いました。

Kudo Type 5は尺骨コンポーネントにオールポリエチレンのバージョンがあり、それの長期成績はメタルバックのものとく比較して劣ることが報告されています。

http://www.boneandjoint.org.uk/content/jbjsbr/92-B/10/1416.full.pdf

 

f:id:orthopaedicrheumatologist:20170425182233j:plain 尺骨コンポーネントのゆるみ(+)

骨セメントが充填されており、再置換は骨髄内のセメントを除去しないと行えません

セメントはこびりついていますので、特殊な機械が必要です。

Zimmerの ウルトラドライブを用意して、骨内のセメント除去しました。

 

今年になって、次は膝の人工関節の再置換です。インプラントは緩んでいなかったので、インサートのみ交換を行いました。17年使用したインサートです。

f:id:orthopaedicrheumatologist:20170425182544j:plain内側が摩耗して破損

 

体重が80㎏くらいあり、17年間よく耐えたものだと思います。

 

#人工関節再置換#人工肘#クドー式人工関節#ポリエチレン摩耗

 

 

 

Windows10再インストールに必要な材料

仕事用のPCが、修繕不能になっていることを書きました。

 f:id:orthopaedicrheumatologist:20170425102726p:plain

結局のところ、古いHDDで立ち上がるWindows8を8.1にアップして、

そこから10にアップしてようやく作業環境を回復しました。

 

Windows10をクリーンインストールしなおすにはいくつか方法があるようです。

 

Windows 10 のダウンロード

 

以前あったWindows 10の無償アップグレードは2016年7月29日に終了しました。しかし終了以前に無償アップグレードを行ったことがあるパソコンについては、Microsoft社のホームページからWindows 10を再インストールできます。この場合、Windows 10 Anniversary Updateへアップグレードされます。

 

ツールをダウンロードすると、MediaCreationToolというものが落とされ、実行するとオペレーティングシステムの要件などがチェックされ、以前のアップロード歴が検索され、うまくいけばダウンロードが開始されます。

 

オンラインによる方法と、DVDやUSBメモリに落として実行する方法が選択できます。どちらを選んでもよいのですが、結局結構な時間がかかります。

SSDへの移行や、パーティションの変更など、含めて延べ2日近く作業を要しましたorz

 

やっぱり何よりも、回復ドライブを成功裏に作っておくのが一番ですね。

 

回復ドライブの作成手順は、他のページを参照ください。

www.microsoft.com

 

#Windows10#再インストール#回復ドライブ#SSD換装