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リウマチ外科医の徒然草

リウマチ診療を中心に過ごす外科医の、日々あったこと、考えたこと、まわりの悲喜こもごもをつづります

尺側偏位×ボタン穴変形は最悪?②

先日ボタン穴変形を合併する尺側偏位を書きました。

 

ボタン穴変形ではPIP関節の掌側を側索が通りますので、指全体の

アライメントとしては、MP関節でもかなり掌側を側索は通ります。

しかもほぼ滑走しません。

 

前回掲載後に1例手術症例がありました。

固有指4本がすべて同様の変形を外観上程しているのですが、不思議なことに

中指だけ外在筋腱が尺側に脱臼していました。

さらにMP関節で完全脱臼かつ約1センチもともと短縮してました。

 

骨切り量は術前の短縮量で決まります。

日本の研究で、CTを用いた骨切り量の検討もなされています。

http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3109/14397595.2015.1056992?journalCode=imor20

 

外在筋腱はMP関節部でUターンしていたのです。さらに尺側の内在筋腱で掌側にアンカリングされたようにひかれており、中手骨の骨切りを行っても短縮と掌側脱臼が改善できません。さらに外在筋腱が基節骨レベルで指の直上でなく尺側に落ち込んでいました。

私の方針は可能であれば、せめて虫様筋腱は温存できるよう、段階的尺側リリースを心がけています。しかし本症例では、完全リリースしないと骨アライメントの整復すら不可能な状況でした。術前のリハビリテーションを強化していれば避けられたのでしょうか? 

 

いずれにしてもスワンネック変形よりボタン穴変形の方が側索の短縮と掌側移動がきついことは間違いないと思われます。

 

#尺側偏位#ボタン穴変形#側索の掌側移動#温存手術無理